切迫流産での入院・退院後しばらくして、ようやく仕事復帰の許可がおりました。
しかし、急に仕事を休んでしまった状態からの出勤は非常に気が重い…
こういう状況だと「迷惑かけちゃったからもう仕事を辞めてしまったほうが良いのでは?」と考えてしまう人も多いのではないかと思います。
でも、私の場合、先輩が気を利かせてくれて他部署からは「あれ~久しぶり!休暇だったの?」といった反応で拍子抜けしました。もちろん自分の部署では私が抜けた分の業務を同僚が残業してカバーしてくれていましたが、無事で戻ってきたことを喜んでもらえました。
内心「ほんと迷惑かけられたわ…」と思われているかもしれませんが。
職場の仲間の立場に立ってみた場合、急に休んだ上にやる気をなくしてそのまま辞めちゃった人…よりは、一度体調をくずしてもできる範囲で頑張ろうとしている人のほうが、まだ好感がもてそうです。
そういうわけで、急に休んで仕事に行きづらい人も、ここは割り切って、今からできることを頑張ったほうが建設的ではないでしょうか。もちろん、「頑張っちゃう人は報われない」で書いたように、無理をしてしまってはいけません。現実にはマタハラのようなことをする会社もありそうですが、わざわざ自分から辞める必要はありません。
今まで私は、自分ひとりで最後まで仕事をやりきることが責任感だと思っていました。でも、妊娠を機に考え方を変えることにしました。どうせ産休で仕事を休むことになるし、産休・育休から戻った後にも時間的な制約が増えるのだから、いかに他の人の助けをうまく借りて仕事をするかを考えることにしました。
会社に所属するメリット
ここから先は、現実的な話です。
健康に不安があると仕事を辞めてしまおうかと考えがちですが、そんな時こそ会社に所属していることを大切にしたほうがよいと思います。(契約社員でもアルバイトでも、長期で働く契約であればあてはまります)
度を越えたブラック企業だったりした場合は仕方ありませんが、肩身が狭いとか申し訳ないとか具体的でない理由で退職を検討しているのであれば、なにも今すぐ退職しなくても、休職するなどの選択肢もあります。もう一度冷静になって考えることをおすすめします。
健康保険
日本に住む人は全員なんらかの健康保険に入ることになっています。
・協会けんぽ(以前は政府管掌健康保険と呼ばれていました)
・健康保険組合(従業員700人以上の企業や、同業者などで作られた組合)
・共済組合(公務員など)
・国民健康保険
などです。
なかで「健康保険組合」の給付内容がもっとも充実していると言われています。健康保険組合には法定の高額療養費の制度に加えて「付加給付」というものがあり、会社によるかもしれないのですが、入院費がいくらかかっても自己負担額は月2万円台で済む計算になります。(食事代や差額ベッド代などは除きます)
また、出産時に支給される「出産育児一時金」も、組合だと金額が10万円近く上積みされている場合あります。
しかも、毎月払う保険料が比較的安いです。
私の場合、退職して国民健康保険になったら、もとの収入も大したことないのにびっくりするような金額の払い込み用紙が送られてきたことがあります。
会社を辞めたら、前年度の年収の3割近くが国民健康保険・住民税・年金保険料で持っていかれると考えたほうがよいです。
出産手当金・育児休業給付金
こちらも健康保険の話と少し重なるのですが、会社に所属していると、出産のために仕事ができなかった期間の収入の補てんとしてそれぞれ現金が振込で支給されます。
出産手当金:健康保険から支給(以前のお給料の2か月分くらいの金額)…国民健康保険ではもらえない
育児休業給付金:ハローワークから支給(以前のお給料の2/3~1/2を最大2年分)※2017年10月より
ちなみに、これらの給付は会社からもらっているわけではないので、同僚でイヤミを言うような人がいても、会社からは無給ですよ…と説明することができます。
会社に所属してもしていなくても出産後はしばらく家にいることになるので、どうせならいろいろな給付があると有難いです。また、出産前には「私はしばらく育児に専念するわ」と宣言していたのに、家計の状況などで「やっぱり働きたい…」と意見を変える人もちらほら見かけます。
いったん会社を辞めてしまうと子供ありでの再就職はなかなか大変です。
誤解がないようにしたいのですが、これは体調が悪いのに無理やり仕事をしましょうという話ではありません。働きたい人が、一時的に仕事をお休みしても働き続けられると良いな…という意図で書いています。
過去の自分を振り返ったとき、さまざまな制度の存在を知らずに会社を退職してしまい、後悔したことがありました。
親を含め、あまり周りに相談できる人がいなかったのが辛いところでした。
少し長くなってしまいましたが、過去の自分や、今悩んでいる方々へ届けたい思いでこのページを書きました。