たとえ体調を崩しても、妊娠~出産後1年以内の労働者を解雇するのは違法なのですが、現実には「妊婦や子育て中の人は職場の迷惑だ」のようなことを言う人はゼロではありません。
出産後も働ける職場とそうでない職場、違いはいったいどこにあるのでしょうか。
職場のメンバーが妊娠すると、仕事内容を調整したり、産休期間の代替要員を手配したりといった手間がかかります。本来、従業員が長く働く職場では病気になったり子育てをしたり介護をしたりといったライフイベントは交代で訪れますが、従業員が数年で入れ替わってしまうような環境だと、誰かのために業務調整をするより代わりの人を雇ったほうが手っ取り早いという雰囲気になってしまいます。
マタハラのようなことをする人は、その人自身も過酷な労働条件にあったり、理不尽な状況を受け入れてしまっているようなことがあります。
自分もひどい環境でなんとかやっているのだから、みんな同じ目に遭わせたい、といったところでしょうか。
私が何回か転職した中で、仕事と子育てが両立できそうな職場は、
・いろいろな世代の人がいる
・男女比が極端に偏っていない
・できれば50人以上の事業所(休養室の設置など、法律にもとづく義務の対象になる)
・なにより育休からの復帰実績がある
ということが条件になると思います。
私の場合、先に産休を取って復帰した先輩がいろいろ助けてくれました。
記憶になかったのですが、何年か前にその先輩が辛かった時に、私が「後はやっておきます」と業務を引き継いだのがとても助かっていたそうです。
あとは20代の男性。
重いものを運んだり時間外の業務を担当してもらえたりして、本当に有難かったです。女性にお願いするよりも、個人的にはとても気が楽でした。
妊娠中の人の側ができることとしては、
・ぎりぎりまで我慢せずに、早めに仕事を複数人で担当できるよう上司に相談
・体調不良に備え、他の人に仕事の状況が分かるようにしておく
・間違っても「仕事辞めたい」「私が一番辛い」のようなことは言わない
・すみませんと謝っても状況が変わるわけでもないので、「ありがとう」と言う
・大前提ですが、できる範囲の中でやる気ある態度で仕事に臨む
…といったところでしょうか。
あと、周りの人を見ていると、
・SNSやブログなど、適度に近況を発信する場がある
・同業者や社外に顔が広い
ような人は、職場イジメに遭いづらいような気もします。
親の世代と比べて、また10年前と比べても、妊娠・子育て中の人の労働環境は改善されつつあります。少なくとも表向きには、マタハラをする会社だと噂になったら、会社の死活問題です。
たとえ心無い言葉を投げかけられることがあっても、けっして皆がそう思っているわけではありません。