A. 必ずしも学校に行かなくてもいいけれど、自分らしく生きられる場所へたどり着くために勉強は続けよう
今の時代、私たちは必ずしも学校に行く必要はありません。軍隊的な集団生活に向いていない人もいるし、学級崩壊やいじめで、そもそも落ち着いて勉強できる環境になっていない場合もあります。
義務教育は、大人が子供に教育を受けさせる義務であり、子供が学校に行く義務ではありません。
ただ、大人になって20年近く経つ私の経験からはっきり分かることがあります。学校以外の場所でかまわないので、勉強そのものは続けたほうがよいと思います。
世の中はいろいろな分野のプロフェッショナルで構成されていて、私たちは大人になったら、家の外であれ中であれ、何らかの職業につきます。高校までの勉強は、自分の興味・関心や得意分野を見つけるための基礎の部分です。教室に座っていろいろ考えるのには向いていないな、というのも一つの発見です。
世の中には、高校生の頃には知らなかったような職業がたくさんあります。自分の親と、学校の先生とお店の人以外にもいろいろな大人がいて、意外と面白かったりするわけです。会社勤めの場合も、ざっくりとした「サラリーマン」「OL」という職業があるわけでなく、会社がひとつ成り立つためには、いろいろな職種の専門家が集まっているのです。>DODAの求人職種一覧
私の場合、親からはそんなことを教えてもらえませんでした。
親からは、働くことがつまらなくて正直者がバカを見るということを聞かされていました。
ですが、学校や社会での生活の中で、今まで周りにいた大人がつまらなくても世の中がつまらないとは限らないということに、後から気づくことができました。
別の観点では、毒親育ちの人こそ知識の引き出しを多く持つことをおすすめします。ただでさえトラブルのある家に生まれたのですから、強く社会を生き抜くためのライフハックが必要です。
例えば、親から「返しているのに一向に借金が減らない…」なんていう話を聞かされている人もいるかもしれません。元金への充当額が少なければ借金が減らないのは当然ですが、年利○%で○年のローンなのか、そもそもの金利の仕組みとはどうなっているのか、きちんと理解している人はどれだけいるでしょうか。
そのほか、
「やってもいない犯罪について、言えば家に帰してやるといわれても絶対嘘の自白をしてはいけない」
「交通事故を起こしたら、絶対に警察と保険会社を通す」
「勝手に名前を使われた借金は、一円でも代わりに返してはいけない」
等々、法律の知識があれば回避できるトラブルもあります。
また、何かのプロになることは生活の糧を得ることです。「どうせおまえには何もできない!」と言われていたあなたも、努力して何らかの仕事について自活できれば、親に支配されなくても生きていけるのです。
学校の勉強から仕事につくまでの進路は、一つではありません。
私の周りには大検を受けて大学に進学する人も複数いたし、逆に高校や大学を途中で辞めて職人として就職したり、専門学校に転校したりする人もいました。
ちなみに、総合大学の場合、2年生や3年生への進級時に別の学部から編入できる制度があったりもします。
私の場合、これだ!と思える仕事に出会ったのは、二十代も半ばを過ぎてからです。
しかも、一見ムダに思えた紆余曲折が、意外な場面で役に立っています。
親に言われたままに歩む人生がつまらないと感じたあなたの勘は、正しいと思います。だからこそ、若いうちに親以外の大人たちからいろいろなことを学ぶ必要があります。今の勉強に意味が無いと感じたとしても、外界とのつながりを絶って閉じこもってしまうのではなく、なんとか情報収集を続けていくことをおすすめします。
今がつまらなくても、きっと世界のどこかには、自分らしく生きられる場所があります。
これを読んでいるあなたも、何かのプロになるための勉強を続けられることを願います。