Q. 親も辛いことがあったのだから、子供に辛くあたっても許すべきではありませんか。

A. 自分の人生に対する怒りを子供にぶつけるのは筋違いです。

なんでそうなる

いわゆる「問題のある人」の多くは、幸せな子供時代を送っていません。
生まれつき性格に問題があるわけではなく、子供時代に問題のある行動パターンを周りから刷り込まれて、大人になってもそのパターンにはまってしまっているのです。

ですが、子供時代に辛い思いをした人がすべて毒親になるかというと、そんなことはありません。
その違いは、自分が過去にされたことの問題点を客観的に認識できているかどうかです。

そのあたりをきちんと客観視できている人は、自分の子供や他の誰かが自分らしく生きることを応援することができます。一方、子供時代の感情をうまく消化できないままの人は、幸せな子供の姿に脅威を覚え、子供の人生を妨害します。

「そんな仕事に就くのは無理だ」
「どうせお前なんか、結婚しても不幸になる」
「みじめな姿がお似合いだ」
等々、いつか自分が言われたこと、されたことを、そのまま子供相手に繰り返すのです。
もはや、悪意があるかどうかという以前の、無意識の行動です。
モラハラをする人とも共通点があるかもしれませんが、子供のささいな行動から過去の傷を思い起こしてしまい、キレてしまうのです。

私の両親も、子供の時に傷ついた自分に折り合いをつけることができないままでいるようです。
「それは…お母さんの子供の頃の体験で、今の私の結婚や就職とは関係ないでしょう?」
と、機会があれば冷静に説得を試みるのですが、「うるさい!親をバカにして!!」とキレてしまいます。

親は、キレることで心の中の葛藤の核心部分に向き合うことを避けているのでしょうが、たぶんこの調子では、自分の人生に折り合いをつけられる前に、人生が時間切れになってしまうでしょう。
ですが、それは親が自分で選んだことです。こちらまで巻き込まれて、親の呪いのために自分の人生を差し出すいわれはありません。