Q. 仕事に自信が持てず辛いです。どうせお前は何をやってもダメだという親やいじめっ子の言うことが正しかったのでしょうか?

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A. 率直なところ、育った環境が悪いと仕事をする上でもハンデになります。ふつうの働き方のイメージができないから、努力の方向性を見失いがちです。

職場で苦労する

とはいえ、もう大人になってしまったのだから、ハンデを抱えながら自分なりにどうしていくかを考えたいと思います。

私は、20代の頃、職場でうまくいかないことが多く苦労しました。まだ30代ですが、もう何回も転職しています。ですが、今では、決して人がうらやましがるような状況ではありませんが、なんとか自分の稼ぎで生活できています。
仕事をしていくために、この十数年間で学んだことを以下に書きたいと思います。
(本のタイトルからはAmazonへリンクします。興味のある方は見てみてください。)

 

大前提として、自分らしく生きるために仕事は必要です。
西原理恵子さんの「いきのびる魔法―いじめられている君へ」という本でも書かれていますが、自由は有料です。家の外であれ、中であれ、企業人であれ、フリーランスであれ、自分がプロとして誰かに感謝されて対価をいただくことは自信につながります。
(もちろん、体調が万全でない人は、無理をせず回復へ努力することが仕事です)

1.スキルのバランスが悪い人は、仕事選びが重要です。

対人スキルや感情の察知・コントロール(いわゆるEQ的なもの)のバランスが悪い自覚がある人は、仕事選びを間違えると悲惨です。「真面目にやれば誰でも定年まで働けるものだ」というのは何十年も前の考え方で、仕事が多様化している昨今、向いていない職場で自分の欠点を消そうと苦しい努力を続けても、消耗していくだけです。きちんと自分の適性を見極め、得意な方面を伸ばせる方向の仕事に就くことが現実的です。

今の仕事がうまくいかないからといって、もっと簡単な仕事、誰でもできる仕事…という方向で消極的に考えるのはお勧めしません。

世の中にはいろいろな会社があって、いろいろな仕事があります。
ですが、仕事探しをする段階の学生や若者の目に触れる仕事というのは、ごく一部分ではないかと思います。

たとえば、身近な例として、ガソリンスタンドについて考えてみます。
給油に行った時に対応してくれる店員さんや、1軒のガソリンスタンドを経営している会社あたりまでは私たちの目に触れますが、実は見えないところで、ほかにもいろいろな会社や人が関係しています。

たとえば、
・大手特約店(元売りから石油を買ってガソリンスタンドへ売る会社)
・石油の元売り(産油国から石油を買ったり、油田開発をしたりする会社)
・商社(油田開発やエネルギー事業への出資をしている)

などが関わっており、それぞれの会社が製油所や物流の拠点を持っていたりします。
事業内容や職種は多岐にわたりますし、経理、人事、マーケティング、情報システムといった部署や担当は、どこの会社にもあります。

※日本の石油会社については、この冬(2016年12月)映画が公開される小説「海賊とよばれた男」など、参考になると思います。この小説は、出光興産創業者の出光佐三さんがモデルになっています。
(正直、このマッチョな九州男児的文化は現代の感覚には合わない部分もあると思いますが、核になるストーリーは面白く読めました)

本来、こういった業界のことをぼんやりとでも勉強してみて、自分に向いた会社や職種を検討するのが就職活動ですが、残念ながら、当時の私にはそういった発想は全くありませんでした。
せいぜい、親に言われた「ガソリンスタンドで汚れながら働くなんて嫌ね。あなたはあんなお仕事やめてね」くらいですかね…

世の中の仕組みを勉強して、自分がどうやって働いていくかを考えるうえで、大学へ行くことも、アルバイトすることも意味があると思います。就職して失敗したと思っている人も、自分が見て体験した部分は、社会のごく一部です。一度うまくいかなかったからといって自分はもうダメなんだというと、決してそんなことはありません。ですが、漫然と同じような転職をしては、同じことの繰り返しです。その経験から何を学んでどう改善するのかを考えることが重要です。

弱点をカバーできる仕事を考える

あと、すべての人に参考になるわけではありませんが、私は仕事で困ることの一つとして、うまく言葉が聞き取れません。静かな会議室なら大丈夫なのですが、ざわついた職場で電話を取った時など、騒音に紛れて肝心の言葉が聞き取れません。

どうやってこの悩みをカバーしているかというと、接客ではなく、IT(手に職系)の仕事をしています。
仕事の連絡はほとんどメールなどの文字だし、マイペースで研究のしがいがあり、作る成果物が良ければ仕事が評価されるので、私には向いているようです。

2. きちんとNOと言う、断る

毒親育ちの人が職場で犯しやすいミスとして、指示の確認や連絡をうやむやにして問題を先送りにしてしまうことがあります。
これはなにも怠慢ではなく、職場で波風を立てたくないという思いから来ているのですが、結局最後になって勘違いしていることが明らかになって周りに迷惑をかける結果となってしまうのです。

例えば、本来自分の仕事でないことを依頼された場合。
気弱な私は、「まあ、反論するのも面倒だし私がやろうかな…」なんて思い始めてしまいます。

でも、こういった場合は「これは〇〇さんの担当なので、そちらへお願いします」と指摘するのが正しいのです。なぜなら、本来の依頼先が分からないままだと次回の依頼時も混乱するし、中途半端にほかの人がやったところで、あとで前後の関係が分からなくなって逆に迷惑になります。
それに、自分が仕事でどの業務をするかは上司が決めることなので、勝手に自分が安請け合いしてはいけません。(もちろん、自分の上司と本来の担当の人両方の許可があれば、その限りではありません)

そして、先ほど書いたように、私はあまり耳が良くないのですが、聞こえなかったときや、理解できなかったときに、うやむやに分かったふりをしてしまうことがありました。
でも、
・聞こえないときは、きちんと「聞こえませんでした」と言う。
・誤解がないように、指示を復唱したり、メールで送ったりして確認する。
など、正直に状況を説明することによって、スムーズに仕事できるようになりました。

3. 「正しい」を追求しすぎない

親の言うとおりに育ってきたタイプの人の特徴として、応用がダメというか、融通が利かないというか、つい教科書通りの対応をしてしまうことがあります。

私も、先輩のミスをみんなの前で指摘してしまってその後激しくいじめられた
という経験がありました…でも当時は、間違ったものを指摘して正しくなったのに、なぜこんな目にあうのかと思っていました。
今だったら、一回限りのものなら黙って直しておくだろうし、指摘するにしても、相手に恥をかかせるようなことはしません。

なんとか仕事を続けていく中で、だんだん、人の気持ちを考えながら仕事を回していくことができるようになってきました。できる仕事の幅が広がってくると、いちいち小さなことが気にならなくなってきたというのもあるし、紆余曲折があっても、うまく仕事が完了すればよいのだということを学びました。

若干オッサンくさいかもしれませんが、サラリーマン・OL的なコミュ力には、「課長島耕作シリーズ」などが参考になりました。仕事を始めた頃、全巻読みました。この漫画にはずるい人やダメな人もたくさん出てきますが、すべての問題にいちいち真正面から立ち向かわないでも世の中うまく回るんだな…という勉強になります。

たとえば「島耕作」には、久美子という女性キャラクターが出てくるのですが、ごく初期に普通のOLとして登場したとき、「経理の資格を持っているけれど、経理担当になりたいわけじゃないから、わざわざ履歴書に書かない」と言っていて、かっこいいなあと思いました。

4. 細かなことに一喜一憂しない

毒親育ちの子の特徴の一つとして、つい、他人の評価が気になってしまうということがあります。
私も昔は、良かれと思ってやったことがまったくうまくいかず、その上一つ嫌なことがあると何日も気にしてしまい、それがいくつか溜まってしまうともう会社に行きたくなくなる…のような、不自由な状況でした。

ママの顔色をうかがって暮らしてきた子供の頃からのクセが、いつまで経っても抜けなかったのです。

でも、いろいろな失敗をして経験値を高めていくたびに、失敗をしたかどうかではなく、失敗した後どうやってリカバリーしていくかということのほうが重要だということを学びました。

自分が大ミスをやらかして、ショックで次の日から会社に来なくなってしまったら、結局、残った人に後始末を押し付けることになります。そうではなくて、「やらかしたのでどうしたらいいでしょうか。」と上司に指導をあおいで、最後まで後片付けをして、次は失敗しないよう改善するということが重要です。ミスをしたからといって、会社を辞めるに値するかどうかは自分が決めることではありません。

また、会社は利益を出したときには従業員にすべて還元しているわけではないのですから、失敗したときにだけ損害を負わされるということは裁判の判例では稀です。(そのような慣習がある職場は、ブラック職場です)

「私はいつも『それはあまり大した問題じゃない』という哲学をもってきた」( アンディ・ウォーホル)
という言葉が、この気持ちに当てはまるような気がします。

5. 体調管理をして、毎日元気でいられるように

難しいことを考える以前に意外に多いのが、食生活や睡眠に問題があって実力が発揮できないパターンです。私は、ずっと体調が悪いような状態が普通だと思っていたのですが、大人になって食事と睡眠の環境が改善されたら、こんなに頭の中も晴れるのか…!と驚きました。

忙しくても、お菓子だけでなく、きちんと3食ごはんを食べましょう。ごはんと即席みそ汁の粗食でも、食べれば頭の働きが違います。できるだけ、シャワーだけでなく、浴槽のお風呂に入りましょう。40℃前後のぬるめのお風呂に入れば、寝つきが良くなります。

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長くなってしまいましたが、以上が、特別なにか才能があるわけでもない私が、仕事で失敗しながら学んできたことです。少しでも、仕事が辛い方々の参考になりますことを祈ります。